村の課題
2025年07月19日 13:32
高齢化と人口減少が進行する中で
長生村の高齢化率は年々上昇しており、2025年には40%を超えると予測されている。高齢者が増える一方で、若年層の転出や出生数の減少が続き、人口は横ばいか微減傾向にある。こうした状況は、介護や医療などの福祉需要を高める一方で、それを支える人材や財源が限られているという“二重の課題”を生み出しており、介護サービスの充実は急務だが、訪問介護や通所施設の人手不足は深刻だ。都市部と違い、移動手段が限られているため、高齢者が通院や買い物をするにも困難が伴う。家族の支援に頼らざるを得ないケースが多く、特に独居高齢者にとっては「見えにくい孤立」が問題となっているのでは?と考えます。
子育て世代の「見えない負担」
一方で、子育て世代が感じる課題も多い。長生村では、保育所や幼稚園の整備は進んでおり、待機児童は少ないとされている。しかし、保育士や支援員の人材確保は常に課題であり、都市部と比べて選択肢が少ないこともネックとなっている。また、児童館や放課後の居場所、子育て相談の場など、家庭以外の「頼れる場」がまだまだ少ないという声も聞かれます。
特に共働き世帯にとっては、働く場と子育てのバランスが取りにくい。村内には雇用の選択肢が限られており、パートや短時間勤務を余儀なくされる人も多い。そのため、子育て支援と地域雇用の一体的な支援が求められているのではないでしょうか?。
「つながり」が地域の希望に
こうした中、注目すべきは地域住民による自主的な取り組みだ。近年、ボランティアによる見守り活動や高齢者サロン、地域食堂(いわゆる子ども食堂)などが、ゆるやかに広がりを見せている。村の規模が小さいからこそ、「顔の見える関係性」が築きやすく、困りごとを声に出しやすいという利点もあるはずです。
また、移住促進に向けた取り組みとして、若い世代が定住し、子どもを育てることができる環境を整えることは、
長生村の未来にとって何よりも重要です。
地域包括ケアや子育て支援体制の強化には、行政だけでなく、地元企業や福祉関係者、学校、住民の連携が不可欠だ。たとえば、農業と福祉をつなげた「農福連携」、子どもと高齢者が交流する「世代間交流イベント」など、地域資源を活かした施策が今後のカギを握ると考えます。
求められるのは、「住み続けたい村」づくり
福祉や子育ての充実は、単なる“支援”の話ではない。それは「ここに住み続けたい」「家族を育てたい」と思えるかどうかに直結する。長生村のような人口規模の地域では、制度以上に“人と人との関係性”が社会基盤になる。行政サービスが届きにくい部分を、地域のつながりや協力が補っていけるかどうかが、今後の地域力を左右する。
そのためには、村民の声を丁寧に拾い上げ、「小さくても温かい支え合い」の仕組みを育てていくことが重要だ。ICTの活用による情報共有、SNSやアプリによる子育て支援情報の発信、移動支援サービスや地域ボランティアのマッチングなど、デジタルと地域力を組み合わせた新しい形の福祉支援も視野に入れるべき。と言うのが私の考えです。